LO*V*E

国立新美術館で始まったばかりの「ルーヴル美術館展 愛を描く」を見てきた。

やっとフランスがたくさん絵を貸してくれるようになったので嬉しい。今年はマティスも見られるようだし。そしてコロナ禍真っ只中でも日本に絵を送ってくれたオランダ、イスラエル、あとはドイツもかな。本当にありがたい。

筆触がない、大画面の、ロマン主義全振りのコッテリした油彩画に人が群がるのを見たとき、”日常”を思い出す。
“日常”がないと日本で天使の絵を見ることは難しい。”非日常”こそ現実ばかり見せられる。


ずっと天使の絵が見たかった。


愛をテーマに絵が選出された今回の展示。
ヴァトー、ブーシェフラゴナールといったロココ大御所がメインで出てはいるけれど、甘いだけではなく厳しさや悲しさを感じるものが多い。
そういえば日本語では「愛しい」を「かなしい」とも読む。
慈愛、友愛、エロス、親子・家族の愛、愛から生まれる嫉妬、誘惑、暴力、自己犠牲。
絵の背景にある様々な物語を読んでいて、揺らぐことなく信頼できる絶対的な愛って結局、神の愛しかなかった。


お土産に、マリアージュ・フレールの展覧会限定フレーバー「LOVE LOUVRE」を買った。
濃くてもったりした味を想像したのだけれど、バニラと柚子ですっとした清涼感のある甘さなのが意外だった。これはきっと清澄な愛。