2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

蜜蝋と薬草

美術館で「におい」を感じることってほとんど無いのに、嗅覚に訴える作品が2つもあったのが印象的だった。蜜蝋と薬草。どちらも全身がつつまれて土に還るかのような安心感のあるにおい。 森美術館の「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイ…

怠惰

79歳のデュシャンにインタビューした本を読んだ。『デュシャンは語る』、マルセル・デュシャン、聞き手:ピエール・カバンヌ、訳:岩佐鉄男・小林康夫、1999、ちくま学芸文庫 怠惰で、楽観的で、ブルジョワ然としていて、ミーハーで承認欲求もちゃんとある。…

3 days, after

3連休の初日はSNSで見て気になっていたブックショップへ。中央線沿線のほとんど降りたことのない街。もしかしたら初めてかも。少しだけ気合いのいる場所で、緊張しながら出かけたけれど、結果的に楽しいお買い物ができた。暑さがすぎて涼しくて。駅からそれ…

余白

父との会話がきっかけで、方丈記を再読した。そこらを歩いていた人が突然倒れてそのまま死んでしまう、という描写が、何度読んでも強烈に感じるものだ。自分の人生を特別だなんて思わず、運に期待せず、執着しない、去るべき時に去ることができたら。それで…

10月

啓示のような夢を見たけれどさっぱり思い出せない。 10月という個人的に少し特別な月が始まった。いつも何かが始まり、何かが少しずつ終わっていく。まだまだ暑くて、今日は30度。冷房の室外機の無機質な音が体の奥まで迫ってくるこの感じ。ベルナルド・ベル…